コロナ禍が深刻化する中で開かれた10日の衆参予算委員会。緊急事態宣言の効果は出ているのか、宣言の「出口」はいつか、東京五輪・パラリンピックは本当に開けるのか……。野党は様々な疑問をただしたが、菅義偉首相は質問と直接は関係のない答弁を繰り返すなど、質疑がかみ合わなかった。専門家からは首相の対応への批判が上がる。
7日に決定した緊急事態宣言の延長と拡大を受け、一問一答形式で質疑があるこの日の予算委では、首相がコロナ禍の現状をどのように国民に説明するかが注目されていた。野党が再三首相に問うたのが、首相が「人類が新型コロナに打ち勝った証し」と位置づけている東京五輪への認識だ。
同じフレーズ、繰り返す首相
「感染急増の『ステージ3』や、感染爆発の『ステージ4』の時でも五輪はやるのか」。衆院の質疑で、立憲民主党の山井和則氏は首相の認識を表現を変えつつ何度もただした。だが、首相は「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、安心のうえ参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく」と繰り返した。同じフレーズを語り続ける首相にその場はざわめいたが、首相は説明を変えなかった。
結局、首相は一日を通じて問われた五輪開催の是非には触れず、「国民の命と健康を守っていく」を計17回繰り返した。
東京五輪をめぐっては、開催の可否を判断する主体についてもたびたび問われた。だが、首相は「主催者はIOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京都、組織委員会だ」と、自らは判断できる立場にないと強調した。
国会騒然 野党「答弁が全く違う」
この日ひときわ騒然としたのが、立憲の蓮舫代表代行とのやりとりだった。
蓮舫氏は、救急搬送先がすぐ…
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