前統幕長「危機管理として失敗」 ワクチン対応を批判

安倍龍太郎
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 新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐる政府の対応について、河野克俊・前統合幕僚長は12日、日本記者クラブでオンラインで記者会見し、「もっと早めに手を打つべきだった。危機管理として失敗している」と批判した。

 河野氏は、自衛隊制服組トップの統幕長を2014年10月から歴代最長の約4年半務めた。

 会見では「政府の側にいた人間なのであまり言いたくはなかった。ここに至って、ちょっと申し上げたい」と前置きしたうえで、日本のワクチン確保戦略に疑問を呈した。

ミャンマーと同レベル」

 菅義偉首相が高齢者接種の終了目標を「7月末」と宣言した後、自衛隊に大規模接種センターを担当させる構想が浮上し、運営が民間委託となった経過を紹介した。そのうえで、「最悪の事態を考えて、そこに至らないように手を打っていくのが危機管理だが、これは逆行だ。その場、その場で後追いでやっている」と指摘した。自衛隊の活用については「使うにしても、国家安全保障会議で協議をしてやるべきだと私は思った」と語った。

 さらに、首相が東京五輪を「人類が新型コロナに打ち勝った証し」と位置づけていることに「『打ち勝った証し』という設定をしたのであれば、もっと早めに手を打ってやっていくべきだった。危機管理として失敗だった。五輪を開催する国が、クーデターでゴタゴタしているミャンマーと同レベルという話だ」とも語った。(安倍龍太郎)