祖母の「なぞなぞ」、笑って泣いた日 認知症がくれた変化

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若松真平
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 今から10年ほど前、そば美さんは認知症の祖母と一緒に暮らしていた。

 かつては人目を気にして、引っ込み思案だったおばあちゃん。

 体形にコンプレックスがあり、夏でも長袖を着て帽子を深くかぶっていた。

 発症してからは一変し、デイサービスに通える上限の回数まで利用するほど社交的になった。

 ひとり歩きすることもあったため、常にそば美さんか母が付きっきりの生活だった。

祖母が食べたがったもの

 ある日の昼、そば美さんが何を食べたいかを尋ねた。

 祖母は「かしわの天ぷら」と返した後、「天満駅にある」と続けた。

 天満駅は大阪環状線の駅で、かなり離れた場所にある。

 足が良くないのに、そんな所に行ったことがあるのだろうか。

 最寄り駅の名前さえ言えないはずなのに、なぜ天満駅なんだろう。

 もしかして、おじいちゃんとの思い出の場所だったりするのかな。

 すると今度は「店の大将が外人さんやねん」。

 大将が外国人と聞いて、すし屋や高級店が思い浮かび、いよいよ分からなくなった。

 スマホを使って「鳥天」「天満駅」「外国人」と検索したが、ヒットしなかった。

 次のヒントは「テレビでもやってんねん」。

 テレビCMを流すほど有名な店ということだろうか。

 そして、次の言葉を聞いた時に、あの店が思い浮かんだ。

 「たまにやけどな、辛いのが…

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