車と不釣り合いな「おしゃれ感」 警官は見逃さなかった

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岩本修弥
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 パトカーから見た、何げない光景。ただ「妙なおしゃれ感」がひっかかった。

 4月5日午前11時、住宅が立ち並ぶ神戸市北区ひよどり台周辺。神戸北署の戎谷(えびすや)真男警部補(46)が運転するパトカーは、1台の軽ワゴン車と並走する形になった。

 見慣れぬ「なにわ」ナンバー。車の上にはしごが載っていた。

 「職人さんだろう」。そう思って運転手をちらっと見た。柄物のシャツと黒色のパーカを羽織った若い男性。「ずいぶんカジュアルな格好やな」。そんな印象を持った。

 10分後。さっきの車とまたすれ違った。まるで自分たちと同じく、辺りを巡回するように。

 しかも今度は反対方向を走っていた。違和感がふくらむ。

 職務質問しよう。相方の江口智弥巡査(27)と話し合い、助手席の江口さんがスピーカーで呼び止めた。

 車から降りてきた若者はリフォーム会社の社員を名乗った。デニムのズボン、靴はローファー。客のところに行く途中に道が分からなくなった、と言う。冷静な口調だった。

 相手に考える時間を与えないよう質問をかぶせた。目的地は、どこから来たの、身分証は――。

 淡々と答える若者。しかし次の質問をした瞬間、態度が急変した。

 「スマホのホーム画面を見せ…

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