武田信玄ゆかりの城から堀跡を発見 日本唯一の「穴城」

滝沢隆史
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 日本唯一の穴城で、戦国武将武田信玄が原型を築いたとされる小諸城(長野県小諸市)で、戦国時代の堀跡が見つかった。戦国時代の小諸城は絵図などに残されていない。発掘調査を進める同市教育委員会は「当時の小諸城の姿を知るための重要な手がかりになる史料」としている。

 市教委が11日に発表した。小諸城は城郭が城下町よりも低い日本で唯一の「穴城」とされる。現在の小諸城の姿は1600年ごろに城主の仙石秀久が大改修したもので、大手門(国重要文化財)などが現存する。いまも残る天守台には3層の天守閣があったが、落雷で焼失。明治時代廃藩置県で廃城となった後、「懐古園」として公園に生まれ変わった。

 発見された堀跡は現在の本丸の東側で、市動物園のある場所。堀は幅約3メートル、深さは約1メートル。台形の形状などから、戦国時代のもので間違いがないという。江戸時代の小諸城の絵図には今回の堀の描写がなく、米蔵などがあった。江戸時代には埋め戻された可能性が高いという。

 堀を築造した城主や目的などは不明。堀の底からは中国銭や陶磁器のかけらなどが多数出土した。市教委文化財・生涯学習課の高橋陽一さんは「現在の小諸城は自然の谷の地形を堀として利用しているのが特徴だが、戦国時代には人工的な堀で城郭を設計していたことがよくわかる。これまで知られていなかった小諸城の一端が垣間見える」と話す。

 今回の調査は動物園の再整備に伴う発掘で、堀跡は埋め戻して現地保存する。今後は専門家らの助言を得ながら検証を進める。コロナ禍のため、市民や観光客向けの現地説明会は予定していない。(滝沢隆史)