昨年の労災死傷者、コロナ禍で19年ぶりの13万人台

山本恭介
[PR]

 職場で新型コロナウイルスに感染する人が増え、2020年の労働災害の死傷者数が19年ぶりに13万人を超えた。厚生労働省は22年までに死傷者数を17年比で5%以上減らす目標を立てていたが「達成が困難な状況になっている」という。

 厚生労働省によると、20年に労災で4日以上休業したり、死亡したりした人の総数は13万1156人。前年よりも5545人増えた。13万人台は、01年(13万3598人)以来だ。

 昨年、新型コロナ感染の労災死傷者が6041人出た影響が大きい。コロナ感染を業種別にみると、医療機関などの医療保健業と、社会福祉施設の従事者が計4561人でその8割近くを占めた。製造業は345人、小売業は84人、飲食店は79人だった。厚労省は、コロナ感染の死傷者のうちの死者数を明らかにしていない。

 厚労省は22年までに、17年の死傷者数(12万460人)から5%以上減らす目標だった。だが、クラスター(感染者集団)が多発している医療機関や社会福祉施設を中心に、コロナ感染による労災申請は今年に入っても収束せず、達成が難しくなっている。

 コロナ感染による労災申請は昨年6~12月は月数百件で推移していたが、今年1月は1067件、2月は1943件、3月が2768件と伸び、累計が4月23日現在で1万218件に達した。厚労省の担当者は「感染リスクが高い業種で労災が多く起きており、業界団体に対策を呼びかけている」と話す。

 厚労省は、感染経路がはっきりしなくても、仕事が原因とみられる場合は柔軟に労災と認定する方針を示している。労災と認められれば、治療費は全額が労災保険から支給され、仕事を休まなければいけない場合、一定期間の平均賃金の8割が原則補償される。(山本恭介)