消えたバイトや仕送り 食料支援、ないから学生どうしで

新型コロナウイルス

大宮慎次朗
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 コロナ禍で困窮する大学生を対象に、神奈川県内外6大学の学生ボランティアらが協力し、食料を届けている。昨年、学生を対象に国から給付金が出たが、経済的に厳しい状況は続く。学生同士で支え合う現状に疑問を抱きながらも、できることを続けている。

 「こんなにもらっていいんですか」。「無事に就職できました」。米やレトルト食品を受け取った学生から寄せられる感謝の声。「かながわ学生ボランティア連合」の代表で、関東学院大4年の中野愛さん(21)は「学生だって誰かの未来の役に立てるんだ」とやりがいを感じている。

白米に塩をかけるだけの夕食も

 活動のきっかけは昨春の緊急事態宣言だった。学生たちがどのような状況にあるのか、横浜市社会福祉協議会が付き合いのある大学サークルにオンライン会議で尋ねた。「バイト先が閉店」「シフトを切られる」「学生のうちにやりたかったことができない」――。みな口々に言った。

 中野さんも同じだった。横浜市金沢区のアパートで一人暮らし。仕送りやバイト代で教科書代や食費をまかなっていたが、昨年4月から2カ月間、バイト先が見つからなかった。食費を切り詰めるしかなく、白米に塩をかけるだけの夕食もあった。共働きの両親もコロナ禍の影響を受けており、「仕送りを増やして」とは言えなかった。

 「だったら自分たちで助け合おうよ」。誰かがそう言い始め、その場でボランティア連合が立ち上がった。食品ロス子ども食堂などに届ける公益社団法人に協力を求め、提供を受けられるようになった。

 募集はメールで受け付けた。「母国に帰れない」という留学生や、就活と卒論を控えて「バイトを探している暇がない」という大学4年生。中止になった留学費数十万円が返金されない友人の話も聞いた。活動を通して「色んな悩みがあるんだ」と知った。

若者=出歩くイメージ?貧困に目を

 この1年で10人弱に食料を届けたが、氷山の一角だと感じている。「もっと必要としている人はいるはずなのに。学生だと信頼を得られるまで時間がかかるのかもしれない」ともどかしさを感じる。

 国は昨年、新型コロナでバイト収入が大幅に減るなど、学びの継続が難しい学生を対象に最大20万円を給付した。中野さんは10万円を受け取ったが、2カ月ほどの生活費に消えた。

 ただ、若者といえば、コロナ禍でも外を出歩くというイメージが強調され、貧困にはなかなか目を向けてもらえていないと中野さんは感じている。「地道に支え合っていくしかない。いろんな若者の姿をもっと知って欲しい」(大宮慎次朗)

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