地方から相次ぐ重点措置要請 自助努力求める国に変化も

有料会員記事新型コロナウイルス

西村圭史、森岡航平
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 「緊急事態宣言」の対象地域に12日、愛知、福岡が加わり、6都府県に拡大した。宣言に準じる「まん延防止等重点措置」適用を求める自治体も後を絶たない。地方への感染拡大が懸念される中、適用に慎重だった国の姿勢も変化しつつある。

 「医療体制の逼迫(ひっぱく)は命に関わる。緊急事態宣言に入ったことを認識し、身を守る対応を」。愛知県大村秀章知事は12日、会見でこう呼びかけた。この日愛知県の新規感染者数は、679人と2日連続で過去最多を更新。大村知事は「大変厳しい状況」とも述べた。

 福岡県の服部誠太郎知事もこの日、感染拡大防止への決意を語った。愛知、福岡両県は国に要請しない中で宣言の対象地域に。県庁内では反発の声もあったが、福岡県でも12日に初めて600人を超える事態となっている。

 一方、重点措置の対象は計8道県。12日にも、群馬、岡山、香川3県が新たに適用を要請した。

 岡山県の伊原木隆太知事は12日、「ここまで悪化したことはなかった。大型連休中の人の往来をもっと止めるべきだった」と述べた。県幹部によると、事前に国側に相談した際、県独自の対策強化などの「自助努力」を求められた。これを受け、実施中だった岡山市中心部の飲食店などへの営業時間の短縮要請などについて強化を検討した。

 だがその間に新規感染者数は8日に過去最多の189人に。病床使用率は7割を超え、岡山市では人口10万人あたりの新規感染者が83・37人と全国的にも高い数値となった。伊原木知事は「岡山が安全、安心という誤解で(隣県などから人が)流入してくるのを防げる」と、適用を期待する。

 石川県は適用を一度見送られたが、今も「要請中」だとする。重点措置が適用されれば、飲食店などに時短営業が命令でき、拒否した場合は20万円以下の過料という罰則を科すことができる。石川県が重点措置にこだわるのは、こうしたより強い措置が必要と判断したからだ。県幹部は「まん延防止が目的なのに、まん延してからしか発出されない」と不満を漏らす。

 熊本県蒲島郁夫知事は10日に要請。この日から熊本市全域の酒類を出す飲食店を対象に午後8時までの時短営業を要請した。蒲島知事は「重点措置が適用されれば、県民へのメッセージにもなる」と述べた。

 こうした適用を求める自治体の多くは、すでに酒類を提供する飲食店などへの時短要請などを独自に実施しており、重点措置の適用を受けても、実態は変わらないとの指摘もある。

 10日に要請した長崎県の幹部は、狙いについて、「法律に基づいて時短要請や行動制限を行えることが一番大きい」と話す。その上で「重点措置は県独自の施策の延長線上にあるものだが、県の施策との『合わせ技』で効果が出てくることを期待する」と話す。

 全国知事会飯泉嘉門会長(徳島県知事)は12日、新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相とオンラインで話し合い、重点措置について「緊急事態宣言に至らないためという原点に立ち返り、空振りを恐れず知事の要請があれば応えてほしい」と訴えた。

要請のたびに「国会開いてられない」

 政府内では12日の夕刻ころ…

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