IOC、世論気にかけるも判断かえず 開催へ粛々と準備

ロンドン=遠田寛生
[PR]

 国際オリンピック委員会(IOC)は12日、オンラインで理事会を開き、7月23日に開幕する予定の東京オリンピック(五輪)の準備状況を確認した。飛び込みなど日本で行われたテスト大会は成功だった、と評価。開催に反対する声や批判を受け止めつつも、開催に向けて粛々と準備を進めていく姿勢を示した。

 出場する選手の総枠は約1万1千人といわれるが、その約70%にあたる7800人以上が確定したことも明らかになった。この日、トーマス・バッハ会長の代わりに会見に出席したマーク・アダムス広報担当責任者は「残る約30%のうち、20%は世界ランキングで決まるため、実質あと10%ほどだ」と話した。

 開催の可否を判断する基準について、アダムス氏は明言を避けた。「緊急事態宣言の中でも、開催するのか」「一線を越えるのはどういう状態か」という質問も会見では飛んだ。だが、「今後も開催に向けて全力を尽くす。日本で開かれたテスト大会や世界の国際大会を見て、我々は開催できると考えている」と話すにとどめた。

 日本国内では開催反対の声が高まっており、世論調査でも数字に表れている。アダムス氏は「世論は注意深く見ている。気に掛ける必要性もあるが、それによってIOCが動かされるわけではない」と説明。一方で、「日本が厳しい時期を迎え、人々が慎重になっているのを理解している。日本政府を信用してやってきているし、プレーブック(大会関係者向けの行動規範)などを使って、安全で安心できる大会を提供しようと取り組んでいる」とも述べた。

 IOCが大会を強行する裏側には世界保健機関(WHO)の存在も大きい。7日にはWHOが東京大会のリスク管理を評価し、開催への期待を表明したばかりだ。バッハ会長は10日に「大変心強い」という声明を出して歓迎している。アダムス氏もこの日、「とても力強いメッセージで自信になる。日本の人々に少しでも伝わることを願う」と話した。さらに、選手村に入る大半の選手や関係者がワクチン接種を受けることも強調した。

 緊急事態宣言の延長を考慮し、延期したバッハ会長の次回の訪日については、日本の状況を見つつ、6月以降で再調整していく。(ロンドン=遠田寛生)