万葉集から米津玄師まで恋の歌読み比べ 新・高校教科書

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阿部朋美、石平道典、三島あずさ、宮崎亮
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 米津玄師さんの「打上花火」、GReeeeNの「キセキ」……。来春から高校で使われる新しい教科書には、高校生にもなじみのある話題の人物や作品が多く登場する。身近なテーマを通して学びを深めてもらおうと、各社が工夫をこらす。(阿部朋美、石平道典、三島あずさ、宮崎亮

多くの教科でSDGs

 多くの教科書に登場するのが、近年、メディアでもよく取り上げられている国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)だ。

 「家庭」の教科書では、ほとんどの出版社が巻頭で紹介。持続可能な社会をつくるための課題や現状を書き込んだ。家族や福祉、衣食住など家庭で学ぶ各分野と、SDGsの17の目標との関連性を、表やイラストを用いて説明する出版社が多かった。

 東京書籍は、「学校行事を持続可能にしよう」と提案。文化祭などの行事を、ごみや資源、ジェンダーなどの視点で見直すと、どんなことができるのか。東京都文京区の高校が、国産の間伐材で作った割り箸を使ったり、児童労働を題材にしたお化け屋敷をつくったりした活動を例示し、自分たちの学校ではどんなことができるのか考えよう、と呼びかけた。

増える二酸化炭素プラごみ……「あなたはどうする?」

 開隆堂は、消費者として何ができるかを4ページにわたって紹介。世界の二酸化炭素排出量は増加し、プラスチックごみが大量に海へ流れ込む。「あなたはこれからどうすればいいと思いますか」と問いかけた。

 他の教科でも、SDGsは数多く登場する。

 ある社の英語では、気候変動について4カ国の人の考えを読んだ上で、日本の若者として何を発信できるかを問いかける。生物基礎や地学基礎では、生態系や気候変動についての課題を挙げ、何にとりくむべきかなどを考えさせる教科書も。美術では、SDGsのアイコンのデザインを紹介する出版社もあった。

 平安貴族成人年齢や儀式をとりあげた国語の教科書や、世界各国のユニークな成人の儀式を紹介する英語の教科書など、来年4月から成人年齢が18歳になることを意識した内容もみられた。

高校生の学習意欲、高めるには

 来春から導入される高校の新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」がうたわれている。

 一方、2001年生まれの約3万人を追跡調査する「21世紀出生児縦断調査」では、「楽しいと思える授業がたくさんある」という質問に「とても」「まあそう思う」と答えた高校2年生は56%で、中3時点の69%から低下(18年調査)。文部科学相の諮問機関・中央教育審議会が今年1月に出した答申でも、高校の教育活動について「学習意欲を喚起し、可能性及び能力を最大限に伸長するためのものへと転換することが急務である」と指摘された。

 教科書各社が高校生に身近な話題や人物を扱う背景には、こうした現状をふまえ、生徒の自ら学ぶ意欲を高めたいねらいがある。

人への恋しさ、今も昔も

 「恋の歌を読み比べる」というページを設けたのは東京書籍の国語だ。「人を愛し、人を恋しく思う気持ちは昔も今も変わらない」として、万葉集から現代までの恋の歌を特集した。

 〈明日、今日よりも好きにな…

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