モデルナ製ワクチン「スムーズな承認を」 武田薬品社長

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聞き手・江口英佑
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 国内で接種がなかなか進まない新型コロナウイルスのワクチン武田薬品工業は、米モデルナ製の日本での流通を担当し、米ノババックス製については国内生産の準備を進めている。武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は12日、朝日新聞の単独インタビューに応じ、ワクチンをめぐる現状と今後の見通しについて語った。

 ――モデルナ製については今年3月、厚生労働省に製造販売の承認申請をしました。審査が続いています。

 日本人を対象に臨床試験(治験)を実施し、その結果を今月、厚労省に提出しました。スムーズに承認されると期待しています。

 ――日本政府とは、すでに契約した5千万回分に加えて5千万回分、合わせて1億回分の供給について協議しています。

 追加注文については、日本政府がモデルナ、武田に打診して進んでいます。政府は接種の状況や需要、他のワクチンの(審査や開発などの)進捗(しんちょく)状況を評価した結果、追加注文することになったのではないでしょうか。

 ――モデルナ製の初回契約5千万回分については、今年度の売り上げ見通しにどれほど含まれていますか。

 具体的な数字は開示していません。

 ――ノババックス製の国内治験も、今年2月に始まっています。

 ノババックスのワクチンは、どの国でも承認されていません。接種できるようになるのはまだ先です。

 ――承認申請はいつごろを目指していますか。

 まだ具体的期日に触れるのは時期尚早です。ただ、日本にこのワクチンが導入されるのは今年末から来年の初めを見込んでいます。

 ――年間2億5千万回分を全量、山口県光市の工場でつくるのですか。

 そうです。今は製造する準備を整えています。

 ――いつまでに準備を終えるのが目標ですか。

 承認がいつ出るかもわからないので、具体的な期日を示すことはできません。また、国内向けは1億5千万回分で、残りの1億回分は輸出を予定しています。

 ――輸出先は決まっていますか。

 決まっていません。

 ――日本国内で生産することの意義をどう考えていますか。

 もしノババックスのワクチンを、山口の光工場で生産できれば素晴らしいことです。ただ、原薬やワクチンの製造機器は輸入しています。ワクチン生産は各国が相互依存しています。ワクチン業界は、メーカーも数が限られていて小規模です。世界でみても、一つの国で原薬から生産機器まで全てを賄っている国はありません。米国で接種が進んでいるワクチンも、(ファイザーなどの)米国のメーカーが提供している輸入品です。

 ――世界の大手企業はどんな状況ですか。

 世界の製薬会社上位15社の…

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