就活で「らしさ」を押しつけないで 性的少数者たちの声

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高橋末菜
写真・図版
今年3月8日の国際女性デーに、街頭で「就活セクシズム」に反対を訴えた水野優望さん(左)ら=名古屋市内、水野さん提供
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 「女性らしさ」が強調されたリクルートスーツ、面接時には必須とする「ちょうどいい化粧」――。就職活動する学生に対して、こうした押しつけをやめてほしいという声が性的少数者を中心に上がっています。履歴書の性別欄のあり方にも変化が起きるなど、就活におけるジェンダーのあり方を問う動きが広がっています。

「おかしいと思われる」

 フリーで翻訳の仕事をする水野優望(ゆみ)さん(31)は大学生だった10年前、就職活動に臨んだ。ゆったりめのパンツスーツにネクタイを締め、面接会場に向かった。その途中で怖くなった。「面接担当者におかしいと思われる」

 駅のトイレに駆け込んだ。ネクタイをはずし、化粧をした。ヒールのある靴に履き替え、靴下はストッキングに。それでも、かばんが男性用だと気づかれたらどうしよう、と不安は消えなかった。

 戸籍上は女性だが、性自認は、女性にも男性にも当てはまらないと考える「Xジェンダー」。就職活動で身につける衣類や振る舞い方は、どれも「男性用」か「女性用」に分けられていると感じ、自身の存在が取り残されている気持ちになった。「服装やマナーでつまずき、どんな仕事がしたいのかまでたどり着けなかった」。就職活動を断念。体調を崩し、大学卒業前後の3カ月ほど自宅から出ることができなくなった。

 職場でパンプスを強制することに疑問の声を上げる「#KuToo」運動を立ち上げた俳優の石川優実さんに数年前に出会い、就職活動での「らしさ」の押しつけも抑圧や差別だと気がついた。

 昨年11月、インターネット上で「#就活セクシズムをやめて就職活動のスタイルに多様性を保証してください!」という署名活動を立ち上げた。メンバーは会社員や就職活動中の学生、マナー講師ら約10人だ。

 「極端に二元化した男女別スタイルやマナーの押しつけをやめて、多様性のある装いのスタイルを提案して」「女性はこうすべき、男性はこうすべきという偏った表現は差別や抑圧につながるため見直しを」と求める。集まった1万5千筆強を、マイナビやリクルートキャリアといった就職支援企業や、青山商事やAOKIなどの大手アパレル企業、大学などに提出する予定だ。

体の曲線美を強調する表現

 どういった表現が「ジェンダーの押しつけ」に当たる恐れがあるのか。署名活動のメンバーに聞いた。

 例えば大手アパレルのホーム…

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