ICU全てコロナ用に、阪大病院長「次は難しい」

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矢田文
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 大阪大学医学部付属病院大阪府吹田市)は大型連休を含む5月1~10日、集中治療室(ICU)の全30病床を新型コロナウイルスの治療に使う対応をとった。本来ICUで診るべき患者を別の病棟に移したり、予定していた手術を延期したりする影響が出た。土岐祐一郎院長は「他の医療に与える影響が大きすぎるので、(同様の対応は)次は難しい」と訴える。

 阪大のICUは30床あり、がんや心臓病臓器移植の手術などで年間で患者約1千人が使う。コロナの感染増加で府から要請を受け、阪大病院では全床を一時コロナ専用にした。期間中、重症患者の治療で1日あたり最大29床を使った。

 土岐院長は「心臓、移植、がんなどの手術ができなくなる。大学病院としての使命に反していると思ったが、今の状況ではやむを得ないと判断した」と話す。

 ICU全てをコロナ用にするのは初めてだった。判断の背景には、府内の中等症患者を受け入れる病院の危機的状況があった。

 土岐院長は府の要請前、他病院の院長らと電話し、現場の状況を聞いた。中等症病院でも重症患者の治療を継続している状態で、「コントロールできない人がいる。阪大病院に送りたい」という意見が寄せられた。

 「次の手があるのに自分の所では治療できないということは彼らにとってもものすごいストレス。このままでは中等症病院で管理しきれずに亡くなっていく人が多数出てしまうんじゃないかと思った」。中等症病院が崩壊しかかっていると感じ、対応をとる必要があると考えたという。

 それまでも阪大病院ではIC…

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