LGBT法案、自民党が再修正 与野党合意へ調整

二階堂友紀

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 LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案について、自民党の特命委員会は法律の目的に加え、基本理念にも「差別は許されない」と明記する再修正案を立憲民主党に示した。野党は同法が自治体の施策を妨げないことの確認を求めており、与野党は合意に向け調整している。

 立憲民主党は13日、「差別解消」法案を共同提出している共産党国民民主党などと、自民党側の再修正案について協議した。与野党合意に至れば、野党の法案提出から5年を経て、今国会で成立する可能性が出てくる。ただ自民党や支持層の一部にはなお強硬な反対論が残っており、与野党合意後に自民党の了承を得られるかも焦点だ。

基本理念にも「差別は許されない」

 複数の与野党関係者によると、自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」(委員長=稲田朋美防衛相)は12日、基本理念に「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下」などと記す再修正案を立憲民主党に示した。

 理解増進法案は、政府の基本計画策定▽国や地方公共団体による施策実施▽就業環境や教育環境の整備、相談機会の確保などが「基本理念にのっとり」なされるよう定める。法律の基本理念に「差別は許されない」と記すことで、差別解消のための理解増進との位置づけをより明確にする。自民党側は7日に同様の文言を法律の目的に加える修正案を示し、野党が10日に再修正を求めていた。

 与野党はまた、同法が自治体の施策を妨げないことを、提案理由など法案以外の形で確認する方法についても調整している。自民党は差別禁止のアプローチを否定し、同性婚や同性パートナーシップ制度に否定的な見解を示したうえで、理解増進法案を掲げる。これに対し、自治体が法施行後に萎縮し、同性カップル公認制度や差別禁止条例などの施策を進めにくくなるのではないかと心配する声があがっているからだ。

 立憲民主党などは、①差別禁止規定を設けるか、基本理念に「差別は許されない」などと記す②国や地方公共団体の役割(施策の策定・実施)を努力義務から責務に変える③地方公共団体の施策を妨げないことを明示する――といった再修正を求めていた。

 与野党は14日、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」の総会で修正協議について報告する。(二階堂友紀)