砥部焼テーマの映画公開 監督「観客と窯元つながって」

足立菜摘
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 【愛媛】砥部町を舞台に、若手陶芸家とその家族が五輪の聖火台制作に挑む姿を題材にした映画「未来へのかたち」が今月公開された。監督の大森研一さん(45)は同町出身。「この映画を通じて見た人と窯元をつなぐ輪が広がってくれれば。コロナ禍の今だからこそ見てほしい」と話す。

 ストーリーは、砥部焼で五輪の聖火台をつくろうとコンペを制した若手陶芸家が、実現に向けて絶縁していた父親らとの交流を取り戻していくというもの。2017年に上演された、同町の町民ミュージカルが元になっている。砥部焼作家の山田ひろみさん(63)ら女性作家らが中心になり、この舞台の脚本を書いていた大森監督と共に映画化への働きかけを始め、同年秋に実行委員会を立ち上げた。

 映画は全シーンを町内で撮影。大森監督は約30軒の窯元をまわって取材を重ね、映像中に「陶芸家あるある」をちりばめた。俳優の陶芸シーンでは、地元の陶芸家らが2週間の撮影期間に合わせて土の触り方や筆づかいを指導した。

 テーマとなった砥部焼の聖火台は、半年をかけて高さ約4メートルの実物を制作した。現在通常の砥部焼に使われているものとは別の陶石を、山に採取しにいく必要があり、映画でも重要なシーンとして採り入れた。完成した聖火台は撮影後、同町の砥部焼伝統産業会館の裏手に整備された公園内に展示されている。

 映画は元々昨年6月下旬に県内で公開が始まる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期に。砥部焼の多くの窯元も、企業からの発注が激減するなどコロナの影響を大きく受けている。

 大森監督は「見た人に砥部に来てもらえることが最終目標」と話す。今月7日に公開が始まると、窯元には実際に「映画を見て来た」という人が何人も訪れたという。

 県内ではシネマサンシャインエミフルMASAKIなど5館で、全国でも71館で、上映が決まっている。詳細は公式サイト(https://mirakata.com/別ウインドウで開きます)へ。(足立菜摘)