こんぴら歌舞伎ねぷたで魅せる 高さ4メートル製作続く

多知川節子
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 新型コロナウイルスの影響で2年連続で開催できなかった「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の代わりに、香川県琴平町が今秋、初めてのイベント「四国金毘羅ねぷた祭り」を企画している。本場の青森県弘前市とコラボし、上演できなかった歌舞伎の演目を題材にねぷたを制作し、町内を練り歩く。町に活気を取り戻そうと、地元の高校生らも参加して準備を進めている。

 10日夕、琴平高校の生徒と町職員の有志によるオリジナルねぷたの制作が町文化会館で続いていた。高さ約4メートルの造形は、2020年春のこんぴら歌舞伎で上演されるはずだった人気狂言「隅田川続俤(ごにちのおもかげ)」の主人公・法界坊を表現している。

 針金の骨組みにコツコツと和紙を貼っていた3年の塚挾(つかはざ)莉桜菜さん(18)は「ねぷたは東北のものというイメージで、琴平でやると聞いて驚いた。でも、皆と協力して造るのはやりがいがある。祭りが盛り上がればいいな」と話した。

 こんぴら歌舞伎は、現存する国内最古の芝居小屋・旧金毘羅大芝居(金丸座)で開かれていたが、36回目の予定だった20年春、コロナ禍を受けて初めて中止に。今春も金丸座の耐震補強工事とコロナの影響のため、開催を断念した。

 春の風物詩がなくなって悲しむ町民や、長引くコロナ禍で停滞する地元の観光業界を盛り上げようと、町が企画したのが今回の「ねぷた祭り」だ。

 中心になったのは、総務省から出向中の谷口信平副町長(31)。弘前市の出身で、「こんぴら歌舞伎に匹敵するインパクトとブランドがあるもの」として提案。「ねぷたは歌舞伎が題材になることもあり、笛や太鼓のお囃子(はやし)も琴平のまちの雰囲気によくあうはずだ」と太鼓判を押す。

 琴平高生らが制作中のねぷたのほかに、国の重要無形民俗文化財に指定されている「弘前のねぷた」で実際に運行される高さ約8メートルの扇形のねぷたも招く。こちらには、弘前の絵師が、20年のこんぴら歌舞伎で上演予定だったもう一つの演目「義賢(よしかた)最期(さいご)」を題材にした絵を描き下ろす。

 祭り本番では、2体のねぷたが華やかな明かりをともし、夜の町中心部を練り歩く。町内の幼児や小学生と保護者も綱をひくほか、尽誠学園の太鼓部がお囃子に加わる予定だ。

 当初は5月下旬の開催をめざしていたが、全国的なコロナの感染拡大を受け、今秋に延期した。片岡英樹町長は「観光立町の琴平は昨年からコロナに大いに苦しめられてきたが、より多くの方が安心して観覧できる状態で開催したい」と話す。

 町は運行やPRにかかる経費への寄付を、ANAのふるさと納税サイト(https://furusato.ana.co.jp/37403/products/detail.php?product_code=ZZ01A別ウインドウで開きます)などで募っている。目標額は1200万円。(多知川節子)