「厄介者」の火山灰にも楽しみ方 鳥やカニなど自由自在

町田正聡
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 鹿児島県桜島の火山灰で描いた作品展「Hi(灰)! 錦江湾のいきものたち」が、姶良市の重富海岸自然ふれあい館なぎさミュージアムで開かれている。普段の生活では困りものの灰だが、それを利用して楽しいアート作品が制作されている。入館無料、31日まで。

 展示しているのは、火山灰アーティストのKYOCOこと植村恭子さん(37)=鹿児島市=の作品12点。絶滅危惧種の渡り鳥クロツラヘラサギ、雄の片方の大きなはさみが特徴のカニ・ハクセンシオマネキ、タカの仲間の猛禽(もうきん)類ミサゴ、ハンドウイルカ、深海にいるナミクダヒゲエビなど錦江湾で見かける生物を、墨絵のように黒と白の濃淡だけで表現している。

 「厄介者の灰にも楽しみ方があることや、桜島や鹿児島のことを知ってもらうきっかけになれば」と植村さん。5日には植村さんの指導で「灰でお絵描き体験会」もあり、親子連れら約20人が参加した。

 表面に木工用接着剤を薄く塗った縦27センチ、横22センチの白いキャンバスに、灰を右手で握り小指と薬指を少しずつゆるめながら、あるいは指先で灰をつまんで落とし、線を描いていく。キャンバスに落とした灰を指や爪でひっかき濃淡をつける方法などを、植村さんが伝授。参加者は、桜島や海の中の風景など思い思いのテーマで挑戦した。

 姶良市の湯田平(ゆだひら)賢佑さん(33)は、長男の渓心(けいしん)君(5)と桜島を描いた。「灰で車が汚れていつも困っていますが、灰の手触りを感じながら絵を描き、楽しい時間を過ごせてイメージが変わりました」とにっこり。

 植村さんは「国内外の県人会、とくに海外に移住した人たちに火山灰アートを紹介し、桜島や鹿児島のことを知らない3世、4世の人たちに祖先のふるさとのことを知ってもらえたら」と、将来の夢を語る。

 火曜休館。問い合わせは同館(0995・73・3146)へ。(町田正聡)