高校生+TV局でギャラクシー賞奨励賞 プロも学ぶ視点

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田島知樹、野城千穂
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 高校の放送委員会と地元の放送局という珍しい組み合わせで作ったドキュメンタリーが、優れた放送番組に贈られるギャラクシー賞の奨励賞をとった。もとになったのは、歴代放送委員会の生徒が撮り続けてきた、あるクラスの「ホームルーム」の軌跡だった。

 「今日は一つしか話さない」

 教壇に立つ先生はそう言って、黒板に大きな円を描いた。

 「これは『全』であり、『一』であり、『真』である。そういうことについてあらゆる面から話したい」

 机に座る教え子たちは、その話をじっと聴いている。教室には温かい空気が満ちている――。

写真・図版
共同制作番組「『黄葉』 伍朗ちゃんがいる教室」の一場面=テレビ信州提供

 これはある高校で開かれてきた「ホームルーム」の1回目の光景だ。変わっているのは内容だけではない。教え子は50歳に迫り、先生は70歳を超えている。それから15年、このホームルームは続き、その様子を記録し続けてきた映像が、後輩たちに一つの賞をもたらした。

 2018年、晩冬の長野県松本市。県立の松本深志高校放送委員会の部屋で、1年生だった西尾遥さんは途方に暮れた。ハードディスクに保存されていたデータを私用のパソコンに移すと、とたんに画面が動かなくなった。

 「これ全部見るのか」

 委員会の先輩が約15年にわ…

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