米外交官らの脳損傷、130人以上に 欧州やアジアでも

多鹿ちなみ
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 2016年から米国の外交官らがキューバや中国で聴覚障害などの体調不良を訴えた問題で、米紙ニューヨーク・タイムズが12日、被害者はこれまで判明していた人数の2倍にあたる130人以上に上ると報じた。ヨーロッパやアジアでも被害があったという。

 同紙によると、これまでキューバや中国で働く約60人の外交官や総領事館職員らが脳に損傷を受け、聴覚障害や頭痛、めまいなどを訴えていた。新たに判明した被害者がヨーロッパやアジアのどの地域で勤務していたかについては言及していない。被害者には米中央情報局(CIA)や国務省国防総省などの職員が含まれるという。

 2019年には国外にいた米軍関係者が車を運転し交差点にさしかかったところ吐き気と頭痛に襲われ、同乗していた2歳の息子が泣き出した事例があった。交差点を過ぎると吐き気は治まり、息子も泣きやんだという。

 2020年の専門家委員会の報告書は、マイクロ波などが原因として「最も妥当」としていた。ニューヨーク・タイムズによると、バイデン政権は攻撃の主体や目的を断定していない。米国家安全保障会議(NSC)が更なる調査を進めている。(多鹿ちなみ)

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