いつもそこに東京リトルヤンゴン ミャンマー人の支えに

有料会員記事ミャンマーはいま

笠原真
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 ミャンマーでクーデターを起こし、市民への弾圧を続ける国軍に対する抗議活動は日本でも続いている。東京には故郷を思う在日ミャンマー人が集まり、時に心を一つにする場所がある。通称「リトルヤンゴン」。そのコミュニティーの姿は約30年にわたり、母国とともに変容を遂げてきた。

 4月下旬の夜、高田馬場駅前(東京都新宿区)の広場。国軍の弾圧で亡くなった同胞を弔おうと、在日ミャンマー人たちが献花式を開いた。手作りの祭壇を前に一礼し、白い花を手向けていく。繁華街が広がる一角が静寂に包まれていた。

「もどかしい」 祖国を憂う

 式後の集会では犠牲者の顔がスクリーンに映し出され、若者が日本語で弾圧の残虐さを訴えた。練馬区の会社員リンミャットゥーさん(31)は「ミャンマーで闘っている国民を尊敬している。日本にいるのがもどかしくなり、できることをしたい」と参加した。

 ヤンゴンで暮らす両親の生活はクーデターで一変。「治安が悪化して収入も減り、父と母の生活も回らない」と不安が口をつく。

 約2時間で集会の参加者は数百人に膨らんだ。そばを日本人の若者らが行き交う。足を止めて訴えを聴いたり、写真を撮ったり。こう口にする人もいた。「なんでここでやっているんだろう?」  

 高田馬場駅から徒歩5分。米粉の麺を塩ベースのスープに絡めたミャンマーラーメン「チェーオー」を求め、神田川沿いの店「ババミャンマーヌードル」に客が並ぶ。海鮮や肉をのせたものなどがあり、メニューも豊富だ。

 来日3年の会社員エイタンダーソーさん(28)は友人と食事していた。「今はミャンマーに帰れる状況じゃないから、せめて懐かしい味を食べようと思って」

 店主のニニチョさんによると、客の半数以上がミャンマー人。近くの専門学校や日本語学校の帰りに来る人が多いという。チェーオーを待ちながら、スマホミャンマー情勢のニュースやSNSを見る客の姿も目立つ。ニニチョさんは「みんなミャンマーが心配。何ができるかわからないけど、とにかくみんなで頑張るよ」と前を向く。

発祥地は別の街だった

 高田馬場駅近くにはミャンマー人経営の店が20店ほど点在する。駅前のビルには料理店や食料品店、美容室が入る。街並みに溶けこみ、目立つことはない。

 1990年ごろ、ミャンマー人の来日が増えた。88年の大規模な民主化運動に参加し、政治的な理由で祖国を離れた人も含まれた。

 彼らは都心にほど近い、新宿…

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