戯れ一転、頭突きに激怒 奈良の鹿死なせた罪、男に求刑

渡辺七海
[PR]

 奈良公園奈良市)の国天然記念物の鹿を死なせたなどとして文化財保護法違反などの罪に問われた三重県松阪市のとび工吉井勇人被告(23)の初公判が13日、奈良地裁(石川理紗裁判官)であった。吉井被告は起訴内容を認めた。

 起訴状によると、吉井被告は2月7日午前2時ごろ、奈良市日野町の路上で鹿をオノのようなもので死なせたとされる。

 検察側の冒頭陳述によると、吉井被告は2月6日夜に友人やその家族と奈良市内に遊びにきた。奈良公園内で餌をやるなどして鹿と戯れていた。だが、翌7日午前2時ごろ、鹿が自分の車に頭突きしたため、怒ったという。

 吉井被告は被告人質問で、当時、酔っ払った状態だったことを認めた。

 検察側は、「私のものに被害を加えられると、自分に被害を加えられるように感じた。あの時は殺すしか考えられなかった」と動機を述べた吉井被告の調書も説明した。

 吉井被告は道路交通法違反や銃刀法違反の罪にも問われている。検察側は「奈良の鹿は貴重な存在。県民や観光客に愛され、観光資源としても重要。社会への影響も軽視できない」などと指摘。懲役10カ月を求刑し即日結審した。判決は26日。(渡辺七海)