木陰で少年野球を仕切るボスママ 恐れて囲む母親たち

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金島淑華
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親の役割って?

子どものスポーツの現状を掘り下げる連載「子どもとスポーツ」の第3シリーズ。今回は親の関わり方について、現場のルポやインタビューなどを通じて考えていきます。

 「最初は世話好きなお母さんだった」

 ある学童野球チームで、10年以上、指導に携わってきた男性コーチはこう切り出した。

 その母親は息子2人が在籍した8年ほどの間、毎回のように練習に来ていた。

 仕事もしていたが、平日夕方に練習があると年休を取り、来てくれた。始まりから終わりまでずっとグラウンドにいるのを見て、男性コーチは「熱心だなぁ」と感心したぐらいだ。

写真・図版
クロスプレー

 だが、月日が経つにつれ、のめり込み方は間違った方向に向かっていった。

 このチームで保護者の「お茶当番」が回ってくるのは月1~2回。子どもたちが飲む麦茶の準備と片付け、急病やけがに備えるのが主な役割だった。当番日以外、参加の義務はなかった。

 ところが、この母親は、自主的な参加が少ない保護者を責めるようになった。

 「私もやっているんだから」

 「なんでできないの」

 発言力をどんどん強め、周囲に有無を言わせず、場を仕切る。「ボスママ」と呼ばれる存在になった。参加頻度の低い保護者が低姿勢になりがちなのも、ボスママを助長させた。

ボスママは勝手な理由で指導者を責めるまで発言力を強めます。機嫌を取ろうと必死になる母親たちを見て、コーチはある決断をします。

 入団希望の子どもが来ると、指導者を差し置いて、その保護者と面談。「あのお母さん、しゃべり過ぎ」。気に入らない理由があると「大会前だから邪魔しにこないで」とうそをつき、勝手に入団を断った。

 ある時は「なんで5年生に1桁(レギュラー格)の背番号をあげるの?」と指導者を責め立てた。聞けば、その5年生は自分の意のままにならない保護者の息子だったという。

 いつしか、ボスママの定位置…

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