送迎とお茶当番は母親? スポーツ活動にジェンダーの影

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編集委員・中小路徹
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親の役割って

子どものスポーツの現状を掘り下げる連載「子どもとスポーツ」の第3シリーズ。今回は親の関わり方について、現場のルポやインタビューなどを通じて考えていきます。

 調べてみたら、ジェンダーの問題だった――。

 子どもがスポーツ活動をするうえで、保護者がどう関与し、どんな負担がかかるのか。

 そうした研究は、国内ではまだ少ない。保護者の負担感について貴重な調査を2017年に実施したのが、笹川スポーツ財団シニア政策オフィサーの宮本幸子さん(41)だ。

 小学生の子どもがスポーツをしている母親、していない母親にインターネットで質問し、2368人から有効回答を得た。子どもがスポーツをしている家庭で母親と父親の関与度を比べると、メインは母親だった。

 ユニホームや練習着の洗濯をするのは?

 母親、82%

 父親、18%

 子どもを送迎するのは?

 母親、83%

 父親、48%

 練習の付き添い・見学は?

 母親、65%

 父親、36%

 「チーム練習の補助はともに10%。練習の指導は母親が6%、父親が7%。競技に直接関わる部分では、父親は母親と同等か、わずかに上回るのみでした」

 宮本さんがこうした調査をしようと思い立ったのは、自らの実体験がきっかけだった。

 今、中学1年生の娘と小学5年生の息子がいる。調査当時、娘は民間のスタジオでダンスを習っていた。そんな中、息子が「サッカーをやりたい」と言い始めた。でも、諦めてもらった。

 「私は娘の送迎でいっぱいいっぱい。サッカークラブでの(練習付き添いなどの)当番は無理だと思ったので」

 そのことを職場で話した時のことだ。

 女性の同僚に話すと、「わかる、わかる」という反応だった。

 ある男性の同僚は「やらせればいいのに」。

 「無邪気な発言に聞こえてしまい、この感覚が男性には通じないのではないかと思った。それが調査のきっかけでした」

 地域のスポーツクラブなどで、保護者のボランティアによる補助は、ある程度は欠かせない。ただ、調査結果が示す通り、その関与が母親に偏ることで、「楽しみではなく、義務になる」と宮本さんはみる。

「お母さんのお茶くみ」を疑え

 「この問題は、お母さんの気…

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