沖縄の民意と外交・防衛と 岩屋毅元防衛相が語る責任

編集委員・藤田直央
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 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古の沿岸部に、埋め立てのための土砂が投入されたのは2018年12月。強まる県側の反対を振り切る形だった。当時の防衛相自民党岩屋毅衆院議員(63)に判断に至った経緯などを聞いた。

 土砂投入開始は、防衛相就任から約2カ月後のことでした。米兵による少女暴行事件に端を発して、普天間飛行場の返還が合意されてから20数年。この問題を在任中に何とか進めなければいけないと決心していました。投入開始を決めた際には、海底に軟弱地盤があるとの調査報告は受けていました。埋め立ての時間とコストが増えてしまうという思いはありましたが、日本の海洋土木技術をもってすればできないことじゃないと考えていました。

 仲井真弘多知事が埋め立てを承認してから8年の間に、中国の海洋進出に北朝鮮の弾道ミサイル発射と、日本の安全保障環境はどんどん厳しくなっていきました。米軍による抑止力を維持しつつ、沖縄の基地負担を軽減するには辺野古移設しかありません。

 市街地のど真ん中にある普天間東京ドーム100個分の土地が返る。代替施設のために辺野古沖を埋め立てる面積はその3分の1、滑走路の長さは3分の2になる。離着陸の飛行ルートは主に海上になるので騒音も大幅に減ります。

 沖縄の皆さんの気持ちには寄り添わないといけない。一方で、我が国の安全を確保しなければならない。尖閣諸島はじめ一番危険にさらされているのが沖縄県。米軍はもちろん、自衛隊配備の強化も必要で、私の在任中にも、南西諸島にひとつずつ基地をつくっていきました。

 国会議員は国政選挙を通じて国の専管事項である外交・防衛を託されています。もちろん沖縄にも大事な民意がある。どちらが上だということではなく、民主主義の相克といえる厳しい状況の中で、私どもは国政への責任を果たさないといけないと考えました。

 私は1年間の在任中に8回、玉城デニー知事にお目にかかりました。沖縄のみなさんにご理解をいただけるよう、日本政府は努力を続けるべきです。(編集委員・藤田直央

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 いわや・たけし 1957年、大分県生まれ。早大卒。県議から衆院議員となり当選8回。外務副大臣や自民党国防部会長などを歴任し、2018年10月に発足した第4次安倍改造内閣防衛相として初入閣した。