「医療崩壊の間際」病床使用率97%の札幌、現場は悲鳴

会員記事新型コロナウイルス

戸田拓、斎藤徹
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 新型コロナウイルスの新規感染者数が増えている北海道について、政府は14日、当初の方針を一転し、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の対象とする方針だ。急増する感染者数。逼迫(ひっぱく)する病床。北海道の医療現場でいま、何が起きているのか――。

 「札幌は『感染爆発』といえる危機的な状況。病床使用率は実質90%を超え、市内の医療体制はかつてない危機的な状況だ」。札幌市の秋元克広市長は13日、市対策本部会議後の記者会見でそう訴えた。

 北海道の新規感染者数4月1日時点で57人。増加傾向が続き、5連休明けの今月6日に320人に。その傾向には拍車がかかり、13日に過去最多となる712人に達した。うち最大都市の札幌市は499人と、7割を占める。同市の直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は110・2人で、全国の政令指定市の中で最も厳しい状況だ。

 道は感染の急拡大について、感染力が強いとされる変異ウイルスの影響が大きいとみており、鈴木直道知事は10日「新規感染者の9割が変異株で、今は北海道全体で人と人との接触を削減していく状況だ」と語った。加えて、連休中に道内外の人の移動が増えたことも重なった。すでに札幌以外でも感染の増加が目立ち、過疎地の自治体でもクラスター(感染者集団)が発生している。

 札幌市内でコロナ患者受け入れが可能な病床数は410床だが、13日時点で使用率は97%に達している。市はこのままの状態が続けば、本来は入院が必要な低酸素状態の患者にも自宅療養してもらわなければならなくなるとしている。

 札幌市内の基幹病院「KKR札幌医療センター」では、コロナ専用病床20床が、感染が急増した4月半ば以降、満床状態が続く。病状が悪化し、重症化した患者には集中治療室(ICU)で高度な治療を施すが、このICUの病床も今は半数がふさがり、ほかの病気の患者の治療や手術にも影響が出始めている。

 同病院の福家聡・呼吸器センター長は「医療崩壊の間際だ。かつて経験したことのない事態が医療現場で起きている」と話す。「コロナとの戦いは、どこに敵が潜んでいるかわからない中で戦うゲリラ戦のようなもの。市民には『敵は隣にいるかもしれない』『自分が敵自身かもしれない』という意識をもって生活してほしい」

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