緊急事態、10分で方針変えた官邸 閣僚「あり得ない」

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西村圭史、菊地直己、森岡航平
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 菅義偉首相と関係閣僚が決めた新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の方針が一転し、北海道、岡山、広島の3道県に緊急事態宣言が出されることになった。菅政権の対応はこれまでも「後手」「場当たり」と批判されてきたが、首相が決めた方針が一夜で覆るのは極めて異例だ。何が起きているのか。

 14日午前8時半過ぎ、首相官邸。閣議を終えたばかりの首相は、加藤勝信官房長官田村憲久厚生労働相、西村康稔経済再生相の3人と向き合った。「かなり厳しい状況です」。そういって切り出したのは西村氏だった。

 西村氏は、近くの政府合同庁舎で午前7時から開かれている専門家の「基本的対処方針分科会」(諮問分科会)を中座して駆けつけ、会の状況を説明した。

 政府は分科会に、緊急事態宣言に準じる重点措置に群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県を追加する案を諮問した。前夜に首相らが決めたこの案に、専門家から一斉に異論が噴き出したのだ。北海道、岡山、広島では、様々な指標が宣言発出が必要とされる「ステージ4(感染爆発)」に達していた。「非常に厳しい」。重点措置では効果が不十分との声が次々と上がった。

 西村氏の説明を聞いた閣僚らからは「このまま突っ込むか」という強硬論も出たが、田村氏がそれを制した。分科会の尾身茂会長が衆院厚労委員会に出席することに触れ、「答弁がもたないんじゃないか」。政府方針と専門家の意見が異なったままでは、国会の答弁に支障が出ると指摘した。

 閣僚のやりとりをじっと聞いていた首相が最後に口を開いた。「それが専門家の結論なんだろ。もう決まっているんだろ」。西村氏が「そうです」と応じると、首相は「なら、それでいいじゃないか」と、決断を下した。この間、わずか10分だった。

「あり得ない」閣僚は絶句

 昨年4月に最初の緊急事態宣…

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