年賀状も届く人気犬ハッピー 小学校の玄関座ってお迎え

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 沖縄県宜野湾市の沖縄カトリック小学校(二俣隆則校長)の子どもたちは登下校時、「ハッピー」「ハッピー」と口々に声を弾ませる。ハッピーは、同校で飼われている雌のミックス犬の名前。時間になると毎日、玄関に座って子どもたちを待つ。ハッピーと沖縄カトリック小をつないだのは、同小向かいの嘉数中学校に通っていた女の子。14年前の出来事だという。

 2007年1月。嘉数中の女の子が1人、カトリック小へやってきた。ドッグフードを詰めた袋を持ち、やせこけた子犬を連れていた。「私が飼いたいけど、家には犬が2匹いて引き取れません。新しい飼い主を探してあげて下さい」。捨て犬なのか、学校周辺をさまよっていたという。

 カトリック小は当時、敷地内の修道院の番犬「ハッピー」が約1カ月前に亡くなったばかり。新たな番犬として迎えることに決め、ハッピー2世(通称ハッピー)と名付けた。

 6年前にカトリック小の新校舎が完成すると、ハッピーは同小の事務室へ毎日「出勤」するようになった。朝礼の間は耳を立て、リラックスすると両腕を交差させて寝そべる。先生たちが廊下で立ち話をしていると「事務室の中でどうぞ」とばかりにほえることも。どんな日も、登下校の時刻が近づくと玄関に出たくてそわそわし、リードをくわえて修道女にせがむ。

 6年の比嘉悠貴(はるき)さんは「早くハッピーに触りたくて、校長先生に『おはようございます』を言うのがつい早口になっちゃう」と笑う。同年の又吉航瑠(わたる)さんは、4年生で転入手続きをした際にハッピーがロビーで見守ってくれ「いい学校に来たなあ」と感動したと振り返る。

 ハッピーを引き取って14年。高地美智子事務局長は「毎年、『ハッピー様』あてに年賀状が来ます」とほほ笑む。1年生の生活科では「ハッピーのどんなところが好きですか。文章にしてみましょう」という授業も生まれた。

 ハッピーと寝起きを共にしている修道女の小西憲子(かずこ)さんは「14年前の嘉数中の女の子は、今なら30歳くらい」と想像を膨らませる。「『あの時の私よ』って会いに来てくれたら最高よね。そう思わん?」。小西さんの言葉にハッピーはしっぽを振った。(沖縄タイムス)

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