今冬は電力供給が不足 東電は予備率マイナス0.3%

長崎潤一郎
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 梶山弘志経済産業相は14日、この夏と冬の電力需給の見通しが近年で最も厳しいとして、5月中に緊急対策をまとめる考えを示した。東京電力管内では、需要のピーク時における供給力の余裕度を示す予備率が、来年2月にマイナス0・3%となる見通し。マイナスになるのは異例で、電力会社として供給力を増やす取り組みが求められる。

 経産省によると、中部や関西、九州など6電力会社の来年2月の予備率は3%で、安定供給に最低限必要とされる水準にとどまる。今年7月の予備率も、北海道と沖縄を除く全国8電力会社で3・7%と厳しい。

 供給力不足の背景には、大手電力会社が期待するほど原発の再稼働が進んでいないことがある。電力小売りの自由化で経営に余裕のなくなった大手電力が、運転にコストがかかる古い火力発電所を、相次ぎ休廃止していることも要因だ。経産省によると、この5年で廃止された石油火力は原発10基分(約1千万キロワット)になる。東電管内では今年度、千葉県内の液化天然ガスの火力発電所4基(240万キロワット)が、建て替えに伴い休止する影響もあるという。

 太陽光など再生可能エネルギーは増えているが、天候次第で発電量が下がる。今年1月の寒波で全国的に電力需給が厳しくなったのは、太陽光の発電量低下も一因とされる。

 経産省電力会社に、発電所の修繕時期をずらすなど、供給力の上積みを求める方針だ。家庭や企業へは省エネを促す。政府として全国的な節電要請に踏み切れば、2015年度以来6年ぶりとなる。(長崎潤一郎)