新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が16日から北海道、岡山、広島3道県にも広がる。飲食店や大型商業施設などの営業に制約がかかり、経済的な損失が増える見通しだ。外食大手からは後手に回る政府への批判も上がった。
「バラバラバラバラやってどうするんだ。人の流れを止めるなら全部一斉に止めたほうがいい」。居酒屋大手のワタミ会長で、自民党の参院議員もしていた渡辺美樹氏は14日、オンライン形式で開いた決算会見で、政府の対応に不満を隠さなかった。
同社は宣言の地域で、居酒屋「ミライザカ」や「鳥メロ」のほぼ全店を休業している。今年の居酒屋店の売り上げはコロナ前の約8割減まで落ち込んだ。渡辺氏は「今の宣言、ワクチンの状況では、来年3月までこの状況が続くことも想定している」。いまの状況が続けば、2022年3月期の純損益は50億~60億円の赤字になるという。
外食チェーンはいずれも持ち帰りを強化し、ドライブスルーが利用できる郊外店が好調なモスフードサービスは「立地で大きな違いが出ている」(中村栄輔社長)と影響は限定的との見方もある。ただ、「気持ち的には早く終わってほしい」(ゼンショーホールディングスグループ経理部の河野紀章部長)のが本音で、状況にあった商品の開発などで地道な取り組みを進める考えだ。
野村総合研究所の木内登英氏は、3道県で5月末まで宣言が続くと、経済的な損失額は1440億円になると試算。失業者は5700人増えるとみる。先立って宣言が出された東京や大阪など6都府県の損失額を加えると、1兆9千億円を超え、4~6月期の実質ベースの国内総生産(GDP)を年率換算で5%押し下げる計算になるという。
2回目の宣言の影響でマイナ…

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