大久保利通の慰霊祭、鹿児島で初開催 「恩讐越えて」

ライター・知覧哲郎
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 明治維新の立役者の一人、大久保利通(1830~78)らの業績や人柄をしのぶ「大久保利通公並びに維新先覚者慰霊祭」が9日、大久保銅像の向かいにある鹿児島市加治屋町の広場であった。二つの市民有志グループが初めて開催し、約100人が参加した。

 大久保の命日の5月14日を前に、昨年12月に発足した「大久保利通公顕彰会」(吉野正二郎会長)と、4年前に発足した「西南之役恩讐(おんしゅう)を越えての会」(原口泉会長)が呼びかけた。

 大久保は西郷隆盛、木戸孝允と並んで「維新三傑」と称される。だが外交政策などをめぐって西郷と対立。西南戦争で西郷を敗死させたとして、鹿児島では圧倒的に人気がある西郷に比べて、存在感が薄い。

 吉野会長はあいさつで、西南戦争で犠牲になった政府軍と薩軍を一緒に弔う慰霊碑が2017年に建立されたことや、昨年11月に大久保の生誕190年記念祭が開かれたことなどに言及。「恨みつらみを百何十年も持つというのはいいことではない」と訴え、来年以降も慰霊祭を続ける意向を示した。

 原口会長は「(大久保が暗殺されなければ)日本の工業中心の資本主義化の道とは別の何かもあったのではないか」と指摘し、今後も「恩讐を越えての会」の活動を続けたいと語った。

 大久保のひ孫、大久保利泰さん(東京)も「(明治維新を)新たな形で次世代に伝える第一歩に」と期待するメッセージを寄せた。

 慰霊祭では、小学生が大久保をたたえる作文を読み、中学生が大久保の座右の銘「為政清明」と、西郷の「敬天愛人」を書にしたためる催しもあった。(ライター・知覧哲郎)