契約書面のデジタル化、衆院特別委で可決 被害増の懸念

前田朱莉亜、小林未来
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 契約書面のデジタル化などを盛り込んだ特定商取引法・預託法の改正原案が14日、衆院消費者問題特別委員会で自民、公明、国民民主、日本維新の会の各党の賛成多数で可決された。立憲民主、共産両党は反対した。18日の衆院本会議で可決し参院に送られる見込み。

 施行までの期間を1年から2年に延長するなどの修正案は全会一致で可決された。

 法案では訪問販売や電話勧誘販売、マルチ商法、預託商法などの契約書面を紙に代わってデジタル化できる。政府は「社会のデジタル化が進み、消費者のニーズがある」(井上信治消費者相)として、消費者の承諾を得た場合に限って電子メールなどで契約書を交付できるとした。

 立憲などは「高齢者が契約書に目を通さないことも想定され被害が拡大する」と反発。立憲、共産、国民民主はデジタル化を削除した対案を提出したが与党は修正に応じなかった。

 改正案をめぐっては、有識者検討会の議論を経て、各党が賛成する販売預託商法の原則禁止や通信販売での詐欺的な「定期購入商法」の厳罰化などが盛り込まれた。契約書面のデジタル化は同検討会の終了後に政府側が加えた経緯がある。立憲の柚木道義氏は「もともとは賛成できるものであったが、デジタル化が急きょ盛り込まれた」と政府案を批判した。

 消費者問題に詳しい拝師徳彦弁護士は「本来デジタル化はトラブルを減らす方向にするべきだ。トラブルが増えればデジタル化への反発が強まることになりかねない」と指摘。政府はデジタル化による被害が起きないよう、政省令で必要な対策をとるとしている。(前田朱莉亜、小林未来)