袖から名刺が…笑える作品 発明家、SF・アニメを再現

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編集委員・中島隆
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 大阪市に、若き発明家がいます。「どこの企業もなぜかつくらない、役に立つものをつくる」が発明のモットー。この発明家の半生、そして、大まじめにつくったクスッと笑える作品の数々をご紹介します。

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 ここに段ボール箱ぐらいの白い箱があります。コードでつながっているスイッチをオン。

 すると、壮大な音楽とともに箱の上部が、カシーン、カシーンと開いていく。そして、スモーク(煙)とともに、モノが登場します。

 たわし、のり巻き……。モノは何でもいいのです。すべてを豪華に登場させるこの装置、「ゴージャス登場箱」と命名しました。

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 これを、発明家カズヤシバタさん(26)が2017年につくった。映像をSNSに投稿したところバズった初めての作品である。バズるとは、注目を浴びるという意味である。

 SF映画好きなカズヤさんは、変身した主人公や主役のロボットが、華やかに登場する場面を見てきた。だが、それは特撮という架空の世界のこと。

 〈あれが現実にあって、広く使えたらエエなあ〉

 そうして、1カ月ほどで作り上げたのが、この装置。改良を重ねてきて、2021年2月に第4世代完成。さらに改良中である。

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 「名探偵コナン」のコナン君が、真実に気づいたとき。「エヴァンゲリオン」の碇(いかり)ゲンドウ総司令官が、使徒との戦いで何らかの決断をするとき。どうなるかというと……

 めがねが光る!

 でも、それはアニメの中の、架空のことや。現実に光るめがねをつくろうぜ。

 カズヤさんはデザイン系、広告系の友人らと「ゆるつく」というチームをつくっています。そのメンバーたちと100円ショップへ行き、めがねを光らせるための材料を買い集めてめがねに装着。すぐ梅田のオフィス街で動画や写真を撮影。

 1日でつくった「光るメガネ」はSNSでバズりました。「テニスの大坂なおみさんも反応してくれました」

「やったね」と思ったら…

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 カズヤさんは、広島は福山市の生まれ。いまは亡き父は電気技師、家は工具であふれていた。幼い頃から工作して遊んだ。たとえば、木の板の下にタイヤを四つつけて台車にし、友だちと街を走り回った。

 福山市にある近畿大学の付属中学に入った。部員がほとんどいなかった科学部に入る。放課後の理科室で、ペットボトルをつかったロケットなどをつくった。高校生になって電気をつかったものづくりを始める。

 そして、近畿大学の理工学部にすすむ。その、電子工学や情報通信を学び、東大阪市でのキャンパスライフを楽しんだ。

 住んでいたアパートは、オートロックだった。いちいちカードを出して部屋のドアをあけるのが面倒くさい。そこで、オートロックを自動解除する仕組みをつくった。

 完成や、やったね…

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