チベット亡命政府に新首相 「文化の継承に取り組む」

ニューデリー=奈良部健
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 インド北部ダラムサラに本拠を置くチベット亡命政府は14日、新首相に亡命政府議会の元議長ペンパ・ツェリン氏(57)が当選したと発表した。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の後継問題や、チベットの言語・文化の継承など、山積する課題に向き合うことになる。

チベット亡命政府とは

中国軍の進駐に対してチベット人が蜂起した1959年のチベット動乱を機に、インドに亡命したダライ・ラマ14世が樹立。チベットで17世紀以来続いた歴代ダライ・ラマによる政教一致体制から、徐々に民主制へ移行した。ダライ・ラマ14世は2011年、高齢を理由に、世界各地のチベット難民による選挙で選ばれた首相に政治権限を譲った。中国政府は亡命政府を認めていない。

 任期は5年。世界約30カ国のチベット難民ら有権者約8万3千人が投票した。26日にも就任する。2期務めた現職のロブサン・センゲ首相は任期満了で退く。

 観音菩薩(ぼさつ)の化身とされるダライ・ラマは、その死去後に生まれ変わりの少年を捜して後継者にする伝統が続いてきた。だが中国政府は、14世の後継の認定権を自らが持つと主張する。

 また、14世側はチベットの中国からの独立ではなく「高度の自治」を求めているが、中国政府は14世をチベット独立を目指す「分裂主義者」とみなして敵視している。

 ツェリン氏は朝日新聞の取材に、「中国との問題を解決に向かわせ、チベット文化の継承に優先的に取り組む」と語った。 (ニューデリー=奈良部健)