「考える相撲で攻めていた」 霧馬山が大関朝乃山を連破
(14日、大相撲夏場所6日目)
たたきつけるように大関を投げ捨てた。入幕8場所目の25歳、霧馬山が春場所に続いて朝乃山を撃破し、成長ぶりを示した。
互いに上手が取れず、右四つで組み合う展開。浅く左上手を引いた朝乃山がここぞとばかりに前進する。その勢いを利用して霧馬山は下手投げで応戦。ここで朝乃山の上手が切れた。俵に詰まる朝乃山が苦し紛れの投げに出たところを、上手投げで仕留めた。
勝負を見届けた錦戸審判長(元関脇水戸泉)は「考える相撲で攻めていた」と評価。相手得意の形から打開を図った一番に、霧馬山自身も「まわしを取らせないように我慢した」と納得の取り口だった。
18歳でモンゴルから来日。柔道経験はあるが相撲は素人だった。故郷で馬を乗りこなした足腰のバランスの良さなどが、「センスがある」と陸奥親方(元大関霧島)の目にとまった。
課題は体の細さだが、一昨年秋に移籍してきた同郷の横綱鶴竜から食事指導などを受けて変わった。身長185センチながら130キロに満たなかった体重を一気に約10キロ増やし、馬力をつけて幕内へたどり着いた。
いつも助言をくれる兄弟子は先場所中に引退を決断した。今は部屋頭として引っ張っていく立場だ。今場所はまだ2勝で、ここから巻き返しを誓う。「最後まで今日みたいな相撲を取っていきたい」。それがかなえば、おのずと結果はついてくる。(松本龍三郎)
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