長崎平和公園「被爆者の店」の業者撤退、後継者を募集中

米田悠一郎
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 長崎の被爆者団体の一つ、長崎原爆被災者協議会(被災協)が長崎市平和祈念像近くで営む土産物店「被爆者の店」が昨年9月から閉鎖されている。新型コロナウイルスの影響で売り上げが減り、運営を委託していた業者が撤退したためだ。店の収入は活動の大きな支えで、被災協は担い手を急募している。

 被災協は1956年、被爆者援護の充実と核兵器廃絶を目的に結成され、被爆体験の継承や被爆者への相談を担ってきた。

 被爆者の店は翌57年10月、障害を負った被爆者の仕事場として平和公園内に開店。手作りの「マリヤ人形」や原爆関連の書籍などを販売してきた。多い時期は年1億円ほどの売り上げがあったが、建物が一時移転した93年ごろから経営難になり、98年には一時閉鎖した。

 その後、運営を土産物販売業者に委託して再開し、ここ数年は外国人観光客らでにぎわっていたが、昨年2月ごろからの新型コロナ感染拡大で客足が大幅に減少。来客が全くない日も続き、収益が見込めないとして委託業者が昨年9月に撤退。その後は閉鎖されたままになっている。

 店からもたらされる収入は、被災協の活動資金の半分以上を支えている。閉鎖が長引けば活動の基盤も揺らぎかねない状況で、インターネットで資金を募るクラウドファンディングも検討している。田中重光会長(80)は朝日新聞の取材に「本当は被災協で運営したいが、被爆者は高齢化している。被爆体験の継承のためにも、どうにか継ぐ人を見つけたい」と話した。(米田悠一郎)