16世紀の「天正遣欧使節」テーマのオペラ、映画化へ

原口晋也
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 16世紀末、ローマ教皇に謁見(えっけん)して帰国し、キリシタン禁制下の祖国で数奇な運命をたどった天正遣欧少年使節の4人を描いたオペラ「忘れられた少年」が、映画化されることになった。PRも兼ね、長崎県佐世保市で8日に公演されたオペラがインターネット配信されている。

 オペラは1990年の同県波佐見町での初演後、国内外で上演されてきた。4人の少年が渡欧して各地で大歓迎を受けたものの、帰国後は迫害を受ける運命を描く。NPO法人東京オペラ協会が上演150回を記念し、映画化に向けて動き出した。

 協会代表で、台本・総監督を兼ねる石多エドワードさん(73)は、波佐見に住む家族との間で二重生活をしながらオペラの指導で全国を回っている。天正遣欧少年使節という題材について「現代においても忘れられてはいけない少年たち」と語る。

 使節のひとり中浦ジュリアンは現在の同県西海市に生まれ、帰国後も信仰を貫いて西坂の丘(長崎市)で殉教した。波佐見出身の原マルチノはマカオに追放され没した。現在の宮崎県生まれの伊東マンショは日本各地で布教後、長崎で病没。キリシタン大名・大村純忠の名代、千々石ミゲルは、唯一棄教したとされる。「4人それぞれの生き方を肯定したい。人間賛歌の作品です」と石多さん。

 8日に佐世保市のアルカスSASEBOで催された無観客公演は、来年春の撮影開始に向けた第一歩だ。全編(約2時間半)を動画サイト・ユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=k-I1a8ziPzU別ウインドウで開きます)で公開。これを30分の動画に編集し、海外での宣伝にも活用する。撮影は少年使節らが訪れた欧州各国と日本国内で行い、舞台公演のシーンと織り交ぜた映像作品に仕上げるという。(原口晋也)