「サル学」で注目、霊長類研究に寄与 河合雅雄さん死去

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今井邦彦
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 世界に誇る日本の「サル学」を打ち立てた一人、京都大名誉教授の河合雅雄さんが亡くなった。兵庫県・丹波地方の自然の中で育ち、サルの観察を通して人間と自然、環境の関わりを考え続けた研究者だった。

 河合さんは1924年、兵庫県篠山町(現・丹波篠山市)で、男ばかり6人兄弟の三男として生まれた。弟には臨床心理学者で文化庁長官も務めた隼雄さん(2007年没)がいる。野山を駆けまわる活発な少年だったが、小児結核にかかり、青年期にかけて何度も休学・復学を繰り返した。

 兄弟の多くが医師、歯科医師への道を進む中、25歳で京都大理学部に進学し、独創的な「生物社会学」の研究で知られる今西錦司さん(1902~92)に師事。今西さんの弟子で、後に生態学から民族学に転向した梅棹忠夫さん(1920~2010)らの指導を受けながら、ウサギやサルの集団行動から社会構造を読み解く研究を進めていった。

 1953年、宮崎県・幸島で、子ザルの海水でイモを洗う行動が群れのほかのサルにも広がっていくことを確認し、「サルにも文化がある」と報告。世界的な反響を呼んだ。「サル学」として注目された日本の霊長類研究の拠点作りを進め、56年に日本モンキーセンター愛知県犬山市)、67年には京都大霊長類研究所(同)の設立に参加。両施設の所長も歴任した。アフリカでゴリラやヒヒのフィールドワークも行い、多くの後進を育てた。

 故郷の兵庫県では県立人と自…

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