中国「宇宙強国」実現へ加速、無制御突入など荒っぽさも

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高田正幸=北京、合田禄=ワシントン、小川詩織
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 中国が、火星探査機の着陸を成功させたと発表した。火星は着陸が難しいことで知られ、技術力の高さを世界に示した形だ。中国は習近平(シーチンピン)国家主席の大号令のもと、「宇宙強国」実現へ国を挙げて宇宙開発を加速させている。月の裏側に初めて探査機を着陸させ、独自の宇宙ステーション建設も始めた。ただ、大型ロケットを無制御で地球に再突入させるなど、やり方には荒っぽさも目立つ。

 中国国営メディアは15日、探査機「天問1号」が火星着陸に成功したと相次いで速報した。中国中央テレビは、着陸の瞬間に拍手したり、抱き合ったりする関係者の様子を報道。今回の着陸を「革新的だ」と語る技術者の話も伝えた。

 確かに、火星着陸は難しい。これまでに旧ソ連欧州宇宙機関など多くの国が挑んだが、ほとんどが失敗。日本も、火星軌道への投入を目指した探査機「のぞみ」が失敗に終わった。

 火星は月の2倍の大きな重力がある一方、大気が地球の1%しかなく、パラシュートだけでは十分に減速できない。ロケット噴射を併用した複雑な減速方法が必要で、タイミングを少しでも誤れば地表に激突してしまう。通信には片道10分以上かかり、トラブルが起きても地球からの支援は間に合わない。2月に探査車を着陸させた米航空宇宙局(NASA)ですら、大気圏突入から着陸までを「恐怖の7分間」と表現した。

 にもかかわらず、中国は今回、火星を回る軌道に探査機を投入し、着陸させ、さらに探査車を走らせるという三つのミッションに挑んだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の的川泰宣名誉教授は「先行した米国やロシアの情報を手に入れてもいるだろうが、三つを同時に行うのは従来の計画の立て方から考えると常識外れ。技術は非常に高いレベルにあると言える。たいしたもんだ」と舌を巻く。

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