おじ・朝青龍の姿重なる豊昇龍、流れる攻め 大関初撃破

豊昇龍が大関初撃破 おじさんは朝青龍、横綱の姿重なる技の切れ 
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 (16日、大相撲夏場所8日目)

 重い相手をなぎ倒す技の切れ味。ほとばしる気迫。切れ長の目つき。勝ち名乗りを受ける豊昇龍に、優勝25度を誇るおじ、元横綱朝青龍の姿が重なった。

 「立ち合いで相手を起こせば何とかなる」と、初顔の朝乃山を恐れなかった。低く、鋭い立ち合いで大関の胸に飛び込んだ。朝乃山に上手を取られてもお構いなし。右下手をがっちり引いて、43キロ重い大関を左右に揺さぶる。相手のバランスが崩れた瞬間、右からの内掛け。流れるような連続攻撃で、朝乃山の尻や背中にべったり砂をつかせた。

 自己最高位の前頭5枚目で、大関戦は今場所が初めて。前々日は照ノ富士、前日は貴景勝に歯が立たなかった。「勝ちたい勝ちたいという気持ちだった。今日は楽しんでやった」。前向きさも21歳の魅力だ。

 モンゴルの中学を卒業後、おじの勧めで千葉・日体大柏高に留学した。当初は「相撲は怖いから」とレスリング部に入部したが、大相撲の観戦をきっかけに心変わり。相撲部に入り直すと、高校総体で2位になるなど頭角を現した。

 筋肉質の体は朝青龍をほうふつとさせるが、おじさんほど相撲は荒々しくない。取材対応も生真面目だ。だが、師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「負けず嫌い。(兄弟子の)明生の方が稽古場でも強いから、負ければ悔しがってさらに稽古している」と明かす。

 初土俵から20場所目。同じ頃、朝青龍は関脇だった。「おじさんのところまで行ってみたい」と偉大な横綱の背中を追う。(波戸健一)