茨城ロボッツ 悲願のB1昇格 終了50秒前、決めた

西崎啓太朗
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 【茨城】男子バスケットボールBリーグ2部(B2)の茨城ロボッツは16日、初の1部(B1)昇格を決めた。年間王者を決めるプレーオフ準決勝で、仙台89ERSに2連勝して決勝に進んだ。クラブ創設から8年、Bリーグに参加してから約5年で悲願に届いた。

 試合は最後まで大接戦だった。前半は仙台にリードを許した。第4クオーター開始時にはリードしていたが、終了の1分前に追いつかれた。終了50秒前、トラソリーニ選手が得点を決め、81―78で勝利した。

 会場のアダストリアみとアリーナには2178人の観客が集まり、昇格決定の瞬間、ロボッツファンが大きな拍手で祝った。平尾充庸(あつのぶ)キャプテンは涙を流し、試合後の会見では「ファンがホームコートを作り上げてくれた。だからこそ平常心で戦えた」と感謝した。

 クラブが誕生したのは2013年。当時の本拠は茨城県つくば市で、チーム名も「つくばロボッツ」だった。現在まで続く「ロボッツ」の愛称はつくば市がロボット産業の推進に力を入れていることに由来する。

 つくばロボッツは、旧ナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)に参加したが、成績は低迷。経営難も深刻で、14年には運営会社が経営破綻(はたん)し、NBLの管理下に置かれた。

 観客席にいた土浦市の会社員梶間真矢さん(39)は、そんな苦難の時代を知る1人だ。初めてロボッツの試合を見た時、30点以上の大差で負けたのに、梶間さんはロボッツに勇気づけられた。「どれだけ大差で負けていても、選手たちは下を向かず最後まで戦い続けていた」。以来ロボッツのファンになり、ホームゲームには必ず足を運ぶ。

 同時にクラブ経営の厳しさも痛感した。「絶対にチームをなくしたくない」と思い、ボランティアとして会場の設営や撤収、チケットもぎりなどをしてチームを支えた。

 その後、クラブは立て直しを進め、15年にホームタウンをつくば市と水戸市を中心とする県全域に拡大。16年にはクラブ名も変え、B2に参入した。

 昇格決定を見届けた梶間さんは「B1でも最後まで諦めず戦う姿勢を見せて欲しい」と喜んだ。ホームゲームは毎試合のように観戦を続ける水戸市の会社員小山俊一さん(62)は「どちらに転ぶか分からない試合だったが、見事勝ちきった」と選手らをたたえた。

 決勝は22日から群馬クレインサンダーズと敵地で対戦する。(西崎啓太朗)