大手塾オンラインを本格化 親は対面希望、主流代わる?

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高浜行人
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 首都圏を拠点にする大手学習塾が、新たなオンライン教育サービスを相次いで立ち上げている。新型コロナウイルス対応で昨年から積んだ経験を生かし、全国から生徒を集めつつある。一方、対面授業へのニーズは根強く、各社の対応は割れる。対面中心だった民間教育の主流が変わるのか。

 首都圏などに25校舎を持つ進学塾サピックス中学部(東京都)は3月にオンライン校を新設した。横浜市の拠点からオンライン会議システム「Zoom」で双方向の授業を行う形式だ。東京都周辺の難関高校がターゲットだが、北海道から沖縄まで各地から100人以上が集まった。吉永英樹教務部長は「首都圏の大学進学を見越して高校から下宿させたり、家族で引っ越したりする家庭もあり、ニーズはある」という。

 昨春に最初の緊急事態宣言が出てから各校舎で急きょ遠隔授業に取り組んできたが、表情や手の動きが見にくく生徒の集中度を測るのが難しい、宿題のチェックに手間がかかるといった課題が一部の講師から指摘された。オンライン専用の校舎をつくることで、既存校舎の負担を無くせると考えたという。「オンラインには弱点もあるが、準備時間を増やし、個別に声をかけるなど丁寧な対応で対面と変わらない成果を上げたい」と話す。

 232教室を展開する栄光ゼミナールも都内に配信専用の施設を設け、Zoomでの遠隔授業を2月から本格スタートした。解説動画を見た後に講師とやりとりする形式で、在籍生の1割程度が利用する。

 オンライン責任者の樫村征典事業統括室長は「通塾に比べ、授業外での生徒個々への声かけが減りがちであるなど、発展途上の面はある」としつつ、「専任講師がノウハウを蓄積して対応している。通塾時間に縛られないメリットもある」と話す。7月以降はタッチペンで書いたことが共有できる端末を配り、新たなシステムを導入するという。

 首都圏などに262教室を持つ東京個別指導学院は、既存教室の通塾生へのサービスの一環として昨年6月から取り組む。教室にいる講師が自宅の生徒に普段と同様の授業をする方式で、冬休みには約3万人のうち約9千人が利用した。現在は千人程度だが、堤威晴経営戦略室長は「部活で塾に来る時間がないときや、少し体調が良くないときに便利で、保護者や生徒の満足度アップにつながる」と話す。

 通信教育大手による取り組みもある。ベネッセコーポレーションは難関大を目指す高校生向けに、オンライン塾「エベレス」を4月に開講。ライブ授業の動画を見ながらチャットで問題に答えたり、質問したりする。自主的な学習姿勢が求められ、意欲の高い学力上位層が主なターゲットという。

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