怒鳴る指導求める親に「バカだ」 分裂危機、導いた答え

有料会員記事

木村健一
[PR]

親の役割って?

子どものスポーツの現状を掘り下げる連載「子どもとスポーツ」の第3シリーズ。今回は親の関わり方について、現場のルポやインタビューなどを通じて考えていきます。

 「子どもを怒鳴るのはやめよう」

 「強くなるために、厳しい指導は必要だ」

 東京都日野市のR&Bラグビークラブは13年前、指導方針をめぐる親や指導者の対立で、分裂の危機に陥っていた。

 代表の檜谷(ひのたに)亜樹さん(55)は当時、コーチとして小学生の次男と三男とクラブに所属していた。「楽しむのがスポーツ。怒鳴られたら、子どもは面白くない。その親もつらい」というのが檜谷さんの考え。怒鳴る指導に反対した。多くの親も同じだった。

 しかし、そうした親を「排除」しようと、強くなるために怒鳴る指導を続けたい親や指導者が「反撃」してきたという。

 「あいつは分かっていない」「バカだ」。陰で誹謗(ひぼう)中傷が始まった。

 「ならば、公の場で話し合おう」と檜谷さんは提案した。

 クラブは、帝京大ラグビー部からグラウンドを無償で借り、学生による指導も受けていた。話し合いの場で、帝京大の岩出雅之監督(63)が「絶対に子どもを怒鳴ってはいけない」と言ってくれた。その場は収まったが、対立は深まった。「大人ってダメですね」と檜谷さん。選手の主体性を重んじることで帝京大を強豪に押し上げた岩出監督に再び説得してもらうと、厳しい指導を求める親やコーチは子どもとともにクラブを去ったという。

 対立を招いたのは、指導方針が明確でなかったからだと檜谷さんは感じた。「『若者の成長を目指す』といった抽象的な理念はあったけれど、指導法は個々の我流だった」

五つの指導方針に込めた思い

 半年かけて、五つの指導方針…

この記事は有料会員記事です。残り1945文字有料会員になると続きをお読みいただけます。