米、AT&Tとディスカバリー統合協議 動画配信に注力

ニューヨーク=真海喬生
[PR]

 米通信大手AT&Tと米メディア企業ディスカバリーが、メディア事業の統合に向けて協議していることが明らかになった。複数の米メディアが16日報じた。2社の携帯電話事業やケーブルテレビ事業が頭打ちとなる中で、市場が急拡大する動画配信サービスに注力する狙いとみられる。

 報道によると、AT&Tのメディア部門「ワーナー・メディア」とディスカバリーの統合を検討している。統合後の株式持ち分などは不明だが、AT&Tが多く保有する見込み。近く発表されるという。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、実現すれば統合後の企業価値は1500億ドル(約16兆3500億円)にのぼり、巨大メディア企業が誕生する。

 AT&Tは2015年に米衛星放送最大手ディレクTVを485億ドル(約5兆3千億円)で買収。2016年には、米メディア大手タイム・ワーナーを854億ドル(約9兆3千億円)で買収すると発表。18年に完了し、映画会社ワーナー・ブラザースやニュース専門テレビ局CNNなどを傘下におさめた。携帯電話市場が成熟する中で事業を多角化する狙いがあった。

 だが、最近は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、ネットフリックスなどの動画配信サービスが急伸している。ネットフリックスは世界で2億人、ウォルト・ディズニーの「ディズニープラス」は1億人を超える会員を持つ。一方で、ケーブルテレビや衛星放送を契約しない人は増えた。

 AT&Tは「HBO MAX」などの動画配信サービスを持ち、会員数は6千万人超。ディスカバリーも独自の動画配信サービス「ディスカバリープラス」を持ち、会員数は1千万人を超える。AT&Tとディスカバリーは、2社のメディア事業を統合することで動画配信サービスを強化し、生き残りをはかる狙いがあるとみられる。(ニューヨーク=真海喬生)