ペアの教えは「いつも心に花束を」 木原龍一物語(下)

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坂上武司
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 ペアスケーターの男子選手にとって何が大切か。

 「いたわりの心」

 ペアの選手経験がある指導者らはこう言う。

 1970年代の日本ペアはスロージャンプもシングルアクセル程度だったといい、「今の時代とはまったく比べものにならない」。だから、木原龍一(28)=木下グループ=と三浦璃来(19)=同=のペアの技術力には正直驚くという。

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 でも、昔も今も変わらないことがある。

 ペアの技の失敗は「責任は男が7割、女が3割」と言われる。「例えばスロージャンプは、投げられる女性は空中で軸を作って締めていることに集中している。成否は男性の投げ方次第」と指導者らは言う。そして、「けがをするのも女性の方が多い。女性のタイミングの取り方に寄り添って、とにかく練習でも試合でも男子が女子をいたわることが大切なんです。それがペアでは一番大事なこと」なのだと力説する。

 シングルからペアへ。木原は日本スケート連盟などからの誘いもあって、その道を選んだが葛藤もあった。ペアのトライアウトに参加しながら、シングルの道もあきらめきれない。でも、ペアも気になる。木原が学んだ名古屋の邦和スポーツランドの成瀬葉里子コーチは「ペアをやっても、シングルをやっても、龍一には戻ってくる場所はある。その経験をすることが、龍一の将来につながるよ」。そんな言葉を贈って、気持ちを後押しした。

 だが、最初の頃はなかなか演技がうまくいかず、ネガティブな考え方を持っていたという。

 「いろんな方がすごくよくしてくださって、応援してくださって、それでもなかなか結果を出すことができなくて……。スポンサーさんや連盟さんや家族に申し訳ない気持ちで、もう本当に自分がペアをやっていていいのかな、という思いがすごく強かった」

 20歳でペアに転向してから…

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