新巻鮭が作れない 三陸の海に異変、昆布やウニも

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浅野真
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 東北の三陸沿岸は、東日本大震災大津波で水産業に大きな影響が出た。震災から10年、漁港などインフラの復興は進むが、ここ数年、新たな課題にさらされている。海水温上昇などによる漁獲量の減少だ。三陸名産のサケや昆布、ウニなどに深刻な影響が出ている。

「新巻鮭発祥の地」で空前の大不漁

 「もう、サケがとれないんです。今年は売りきれです」。岩手県大槌町の漁港前にある「越田鮮魚店」の2代目、越田俊喜さん(46)は昨年、一昨年と新巻きザケを求めるお客さんに、電話口でわびるしかなかった。「例年は1月いっぱいサケは揚がるが、最近は1月半ばにはとれなくなるので、新巻きができなかった」と嘆く。

 大槌町は、豊臣秀吉の時代、当時の大槌城主が特産のサケを江戸まで運べるようにと塩蔵加工した、「新巻鮭(あらまきしゃけ)発祥の地」でもある。そのサケが、史上空前の不漁に見舞われている。昨年度の水揚げは1165トンで、震災前の2010年度と比べると10分の1以下になった。特に、ここ数年、不漁が顕著だ=グラフ。

 店舗は津波で流され、18年に港の前に再建した。晩秋になると、店頭に塩をしたサケが干され、海風がうまみをつくる。越田さんの新巻きのファンの中には「買って、被災地を支える」人たちもいる。「急な値上げはできず、切り身の数を減らすなどで了解してもらっているが、このままでは厳しい」

「昆布が薄くて削れない」

 同県宮古市の東和食品が製造…

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