「ネットわからん」 ワクチン予約あきらめた 独居男性

華野優気
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 政府が東京、大阪に設置する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターの予約が17日、始まった。予約の方法はネットかLINEに限られる。その入り口でつまずき、接種を受けたくても予約にたどりつけない人がいる。

 「電話でも手間がかかるのに、インターネットは難しくてよおわからん。僕は受けられへんみたいやわ」

 大阪市鶴見区の無職の男性(77)は、国の大規模接種センターでの接種を考えたが、電話での予約ができないと知って諦めた。

 マンションで独り暮らし。数年前に買ったというパソコンは、使い方に慣れず、部屋の片隅でほこりをかぶっている。予約の代行を頼める相手もいない。

 外出するのはスーパーなどへ週1回ほどだが、感染の恐怖とは常に隣り合わせだ。何かあったらすぐに助けを呼べるよう、枕元には固定電話を置いている。

 17日には大阪市の枠組みでの予約も始まった。電話で予約をしたいと市の窓口に問い合わせると、5月下旬に案内はがきが届き次第、予約するよう案内されたという。市が設ける会場の接種は電話で予約ができる半面、75~79歳の場合、予約できるのは5月31日からになる。

 接種がいつになるかわからない。不安が募る。「独りやから、感染したらどうなるかわからん。早いとこ安心させてもらいたい」と切実な思いを口にした。(華野優気)

拡大する写真・図版ブースごとに仕切られた新型コロナウイルスワクチンの接種会場=2021年5月17日午後、大阪市北区、柴田悠貴撮影