五輪と二階氏と三国志 「スパッとやめる」発言の真意は

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アナザーノート 林尚行経済部長代理

 はじめまして。「アナザーノート」初登場です。小泉政権だった2001年秋に政治部へ配属され、その後の記者人生の大半を政治記者として過ごしてきました。途中、経済部で民間企業や霞が関取材も経験。昨年秋からは、経済部長代理として経済報道の「目配り役」をしています。

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 そんな私にとって、あと2カ月余りに迫った東京五輪パラリンピックを開催できるのかという問題は、みなさんも同じかもしれませんが、とりわけ大きな関心事です。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めずにいるなか、それでも開催するのか、中止に踏み切るのか――。答えはまもなく明らかになるのでしょう。

「無理ならスパッとやめる」

 「(五輪開催が)これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」

 自民党二階俊博幹事長がTBSのCS番組の収録でこう語ったのは、ちょうど1カ月前の4月15日のことでした。二階さんは「オリンピックでたくさん蔓延(まんえん)させたということになったら、なんのためのオリンピックかわからない」とも発言。菅義偉首相の「後見人」として政界随一の実力者である二階さんの言葉だけに、海外メディアがニュース配信するなど国内外に大きな波紋を広げました。

 二階さんはその日のうちに「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で申し上げた」と、火消しのコメントを発表しました。ただ、政治家の言葉は「綸言(りんげん)汗の如(ごと)し」。流れ出た汗のように、一度口から出た言葉はそうそう取り消すことはできません。いまだに二階発言は関係者の間で様々な解釈がなされています。

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記者会見で質問に答える自民党の二階俊博幹事長(右)=2021年4月26日、東京都千代田区の自民党本部

 私はこの二階発言を聞いて、「鶏肋(けいろく)」という言葉を思い出しました。

 歴史好きなら誰でも知っている、3世紀の戦乱の中国を描いた「三国志」。その時代の出来事を記した史書「後漢書」にある逸話です。吉川英治の小説などで、なじみのある人も多いのではないでしょうか。

 天下随一の実力者だった曹操…

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