多く残る石綿使った建材 健康被害、今後発症する恐れも

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野口陽
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 建設資材に含まれたアスベスト(石綿)の健康被害をめぐる訴訟で最高裁が17日、国や建材メーカーの責任を認める初判決を出し、一連の訴訟は大きな節目を迎えた。国は2006年に石綿を含む建材の製造や使用を全面的に禁じており、石綿が新たに市場に出回ることはなくなっている。ただ、建設現場の作業員だけではなく周辺住民も含めて、被害者は今後も増える恐れがある。

 国内には石綿を使う建材が大量に残っている上、建物の解体棟数は増加基調が続くと見られることで、作業に伴って飛散する粉じんをこれから吸う人が出る可能性があるからだ。また石綿による疾病は潜伏期間が長く発症までに数十年かかり、「静かな時限爆弾」とも言われる。かつて粉じんを吸った人が今後発症することも見込まれる。

 石綿の大半は建材に使われている。国土交通省の推計では、石綿が使用された疑いの強い民間建築物は全国に約280万棟。各自治体は石綿の除去や飛散防止といった措置を大規模建築物約27万棟で優先させて進めているが、いまだ途上で未対応の建物も多く残っている。

 国交省の09年の試算では、対象の建物が解体されるピークは30年ごろで、完全に無くなるのは55年ごろ。廃棄された石綿の量はここ10年ほど増加傾向にある。

 被害者も増え続けている。厚…

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