トンボの羽ヒントに抗菌技術を開発、ウイルスにも効果

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矢田文
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 化学物質に頼らず、細菌やカビを物理的な攻撃でやっつける。大阪ガスの関係会社で委託研究を専門とするKRI(京都市、川崎真一社長)が開発したのは、こんな技術だ。開発のヒントになったのは昆虫の羽。新型コロナウイルスにも効く可能性があるという。

 トンボやセミの中には羽に抗菌作用を持つものがいる。化学的な成分を含んでいるわけではない。表面にわずか数百ナノメートル(ナノは10億分の1)のとても小さな鋭い突起がいくつも並んでいて、近づいた細菌を刺すことで物理的に破壊する。

 KRI研究員の吉川弥(わたる)さんは、「トンボの羽の構造を生活の中にも応用できれば、水回りなどのやっかいな菌の繁殖を防ぐことができるのでは」と考えた。課題は微細構造をどうやってモノにつけるか。これまで微細構造を加工したシリコンで抗菌作用が実証されているが、実用化するには加工コストなどへの懸念があった。

 吉川さんは、材料そのものを加工するのではなく、後から構造を付着させる方法を考えた。塗布したり浸したりすることで、抗菌作用をもたらす微細構造を表面に付着させることのできる液剤を調合することに成功した。液剤は無機物からできていて、材料も安価だという。

 開発した液剤を使って微細構造を付着させたアルミ材の抗菌効果を確認したところ、細菌(大腸菌)は1時間で99・9%が殺菌された。カビ(黒カビ)についても60日間観察し、成長が長期的に抑制されることがわかった。プラスチック材などでも試し、効果を実証しているという。

 物理攻撃なので、構造が壊れ…

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