保育士の待遇、どうすれば 佐藤一光准教授に聞く

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聞き手・山本悠理
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 社会的機能を支える仕事に従事する「エッセンシャルワーカー」をめぐり、様々な窮状がコロナ禍で浮き彫りになった。親たちに代わって子どもを見守る保育士も、その一つ。長らく待遇改善が求められ、近年は賃金上昇に向けた政策も進められてきたが、依然として担い手不足は深刻なままだ。

 保育の問題に詳しい東京経済大の佐藤一光(かずあき)准教授(財政学)は「既存の給与構造などを今すぐに見直さなければいけない」と指摘する。保育の質の向上、人材確保のために何を考えるべきか、聞いた。

 さとう・かずあき 1979年、滋賀県生まれ。慶応大大学院経済学研究科博士後期課程修了。内閣府計量分析室、岩手大准教授を経て、2021年から現職。著書に『環境税の日独比較』。論考に「なぜ東京で子育てをするのは大変なのか?―地方財政における制度地層の分析を通じて」(饗庭伸・東京自治研究センター編『東京の制度地層』)など。

――2015年度に始まった子ども・子育て支援新制度などにより、保育士の給与は改善傾向にあります。現状をどう見ますか。

 確かに、2013年と19年を比較すると、保育士の平均年収は50万円ほど向上した。ただ、給与の額を上げることも必要だとは思うが、金額を上げたら自動的に保育や幼児教育の質が上がるわけではない。人手を確保するとともに、どうすれば保育の質が上がるのかを、日本社会は個別具体的に考えてこなかったのではないか。

 最近の研究では、読み書きや…

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